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排出権取引制度を考える

更新日:11月4日

排出権取引制度とは?

 排出権取引制度は、地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO₂)の排出を抑えるために作られた制度です。欧米、中国、韓国など、世界ではすでに20か国以上がこの制度を導入しています。


 この制度では、政府がCO₂の排出目標に基づいて「排出権」を毎年発行します。(図1)排出権は温室効果ガス1トン分の排出を許可する証書で、図2のように電力会社や鉄鋼、セメントなど化石燃料を使用する企業は、自社のCO₂排出量に応じてこの排出権を購入する義務があります。これにより、CO₂排出による環境への負担を企業がコストとして支払う仕組みになっています。現在、排出権の価格は地域によって異なりますが、1トンあたり4,000円から8,000円ほどです。


 二酸化炭素の増加が原因で地球の気温が上昇し、その結果としてさまざまな自然災害が増加しています。日本でも、大雨による被害が年々増え、過去10年間(2022年まで)の水害被害額は7兆円に上っています。こうした背景から、各国は排出権取引制度を導入し、排出削減の目標と期限を設けて温暖化対策を進めています。

 また、排出権は透明な価格形成を確保するため、電力や石油会社などの排出企業だけでなく、金融投資家なども参加できるように、世界の主要な商品先物取引所で日々取引されています。


ブリックレイヤー社について

 日本では、ブリックレイヤー社が初めて、世界の排出権への投資を通じて温暖化対策に取り組んでいます。次回は、この排出権取引制度がなぜ重要なのかについて詳しく見ていきましょう。



図1 排出権の発行量削減



図2 排出権の対象となる業種例



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